建物の管理体制とセキュリティ
タイのコンシェルジュ・ガードマン常駐文化
共用施設の充実度がコンドミニアムの価値を上げるタイですが、その中の1つに日本ではあまり見られないコンシェルジュやガードマン駐在という項目があります。
コンシェルジュのいるコンドミニアムでは、マンションのエントランスにレセプションのようなデスクがある様子が多く見受けられます。生活での困りごとを相談するのはもちろん、電気ガス会社への連絡、共有部や駐車場の管理、郵便物の受け取り代行などさまざまなサポートをしてもらえます。駐車場の入り口は、センサーで開くゲートバーが設置されていることも多く、度々日本でニュースになる駐車場の無断駐車で利用権者を困らせるといったことは起こらないでしょう。日本の管理人の枠を超えて、管理会社がそのままコンドミニアムにいるような印象です。
そんな素敵な制度ですが、管理組合方式がないからこそ、日本と違った点もあります。居住者同士の繋がりは薄く、管理に対する意識の方向性も違うように感じます。それもそのはず、日本と比べタイでは多くのコンドミニアムが「投資物件」として所有されており、実際に居住しているのはオーナーではないというケースが多数あります。そのため、建物への“愛着”や“共同意識”よりも、「快適に使えるか」「管理が行き届いているか」といったサービス面が重視されます。一方で、日本では所有者=居住者という場合が多く、管理組合を中心に修繕やルールづくりを行うため、住民同士の交流や自治意識が根付きやすいという違いがあります。不動産価値はあまり下がらないという意識が高いため、長く住み続ける目的でコンドミニアムを購入する人は少ないように感じます。物件は家具付きで売り出すのが一般的なのも、短期的な住まいがメインだからかもしれません。
日本のように、長く住み続ける前提で「自分たちの手で守る」仕組みが発展した国もあれば、タイのように、利便性や快適さをプロの管理に委ねるスタイルが根づいた国もあります。
いずれも、その国のライフスタイルや価値観を映す“住まいの文化”です。
海外の住宅事情を知ることで、日本の住まいの良さや課題をあらためて見つめ直すきっかけにもなりそうです。

